こんにちは、荒井先生です。
今回は、
膝の前十字靱帯を2度断裂した経験から学んだことについて書いていきます。
スポーツをしている方なら1度は聞いたことがあるであろう膝の前十字靱帯。
この前十字靱帯は、膝の動きをスムーズにする役割を担っていて、
損傷・断裂をしてしまうと再建手術を受けないと完治しない部分です。
ところで荒井先生はこの怪我と何か関係あるの?
大いにあるんだよね!
過去2回、前十字靱帯を断裂→手術→1年間のリハビリを経験してるんだ。。
えっ!?そんな辛い過去があったのか…
僕が膝前十字靱帯を断裂したのは20代前半。
当時、怪我に詳しくなかったことや全治まで時間がかかったことでメンタル面でのやりくりが相当難しく、全力でスポーツすることを諦めかけました。
でも今では遜色なく、全力でスポーツに取り組めています!
ということで今回は、
- 膝前十字靱帯を断裂した経緯(両足)
- 大怪我を通じて学んだこと
この2点をお伝えします。
全て実体験ベースでお伝えします。
そもそも膝の前十字靭帯ってなに?
膝の前十字靱帯を知らない人のためにサクッと解説します。
前十字靭帯は、膝関節のほぼ中央にあって、膝関節が外れないように支えている靭帯です。
具体的には、すねの骨(脛骨)が太ももの骨(大腿骨)に対して前方にずれたり、捻じれたりするのを防ぐ役割をしています。この靭帯は他の靭帯と異なり、関節内にあるため周囲からの栄養に乏しく、一度損傷すると自然には治りにくい特徴があります。また、スポーツでの急激な動作(ジャンプの着地、フェイント動作)や転倒、過度のストレス(コンタクトプレー、過伸展)によりしばしば損傷します。
医療法人 西さっぽろ病院HPより
この靱帯を受傷すると、腫れが引くまでは結構痛みがあります。
しかし、腫れが収まると私生活にはほとんど影響がありません。
ただ手術なしでスポーツ復帰後に急激は方向転換やストップすると、膝崩れ(脱臼)を頻繁に起こすようになります。
膝崩れを繰り返すと、合併障害で半月板損傷したり、変形性膝関節症に繋がってしまいます。
難しそうな用語が並んでるけど、要はスポーツやる上では大事な役割を持っている箇所ってことだね。。
初めて断裂したのは23歳のとき(右膝)
初めて膝の前十字靱帯を断裂したのは右膝で大学卒業後の23歳。
以前から度重なる腿の肉離れで練習に思うように参加できないことを理由にサッカーからは完全に退き、フットサル初めてちょうど1〜2年経ったときのこと。
練習試合中、急な方向転換で右膝を内側に捻り、「ブチッ!」という鈍い音が聞こえました。
足の感覚がなく、一気に膝が腫れ上がったのを覚えています。
後日、病院診察で右膝前十字靱帯損傷と診断。
医師に相談すると、手術したら復帰まで1年間を要すると説明され、早く今まで通り運動したかった僕は手術を選ばず、温存治療でスポーツ復帰を目指しました。
温存治療時にしたこと
受傷後、3週間くらいは腫れが引きませんでしたが収まってからは走ったり、ジムに通ってリハビリを続けていました。
当時は膝について知見がなかったので、よく分からないままリハビリしてました。(今考えたら絶対正しくない方法だったと思います…)
1ヶ月くらいすると、だんだん痛みもなくなり「復帰いけるかも?」と思い、フットサルの練習に復帰。
- 走っても痛くない
- ちょっと激しい方向転換しても痛くない
- 痛めた右膝で思いっきりボール蹴っても痛くない
「よし!あとは左足でシュートだけだ!」と意気込んでボールを蹴ったら、「グキッ!!」と骨と骨がズレた感じの音が体内に走り、膝が急に腫れ上がりました。
これが、膝崩れの症状です。
だいぶ痛みが走り、心が折れそうになりましたが、調べると温存治療で活躍しているプロスポーツ選手はいたので、腿周りの筋肉を鍛えて再びリハビリ開始。
私生活で不意に体重をかけた時など膝崩れを起こしていましたが、2ヶ月のリハビリを経て、万全の準備してまた練習に復帰。
1ヶ月間練習に混じり、1回も膝崩れを起こさなかったので「もうこれで大丈夫だろう!」と自分自身でも思い始めてました。
立ち直れない痛さの膝崩れ→手術決断!
1ヶ月経ち自信が芽生えていた中でのフットサルでの試合。
膝に気を遣いながらではあるものの試合に出場中、悲劇が起きます。
相手と並走してボールを取りにいった瞬間、「ゴリッ!」と今までにないような鈍い音が全身に響き渡りました。
直後、僕は素直にこう思いました。
こんなにリハビリしても、自分の中でも自信をつけても、ダメなものはダメ…もう手術をしよう!
競技でフットサルをしたかったら、手術して新しい靱帯を作るしかない。
気持ちが吹っ切れ、有名な大学病院に通うことになります。
有名病院で診察してもらい、新たな事実が発覚。
以前から何回も膝崩れをしていた僕は、右膝前十字靱帯の他に半月板の損傷していたことが判明。
これが二次障害、早く手術しておけば良かったと後悔しました。。
初めての手術→1年間のリハビリ!
不自由なくフットサルをするため、手術を決断した僕。
手術中は全身麻酔のおかげで痛くなかったですが術後がもう大変。
- 膝が曲がらない
- 膝が痛くて仕方ない
- 膝に超気を遣わないといけない
もう今振り返るだけでも壮絶でした。
こんな1ヶ月間の入院生活→退院リハビリ生活に移ります。
退院後の生活
基本的に退院後は3ヶ月間は手術した病院でリハビリができるのですが期間が終わると、
- 自分でリハビリするか
- 提携病院でリハビリするか
この2択となります。
気持ちとしては、手術した病院の理学療法士に見てほしかったのですが希望は通らず、自分でリハビリする生活を選びます。
自分でリハビリする生活を選択
3ヶ月間の病院リハビリトレーニングを元に週1回くらい自宅でやるようにしました。
術後3ヶ月間も経過するとそれなりに行動制限も取れるので自宅トレーニングの他にジムにも通うことにしました。
ここで参考程度にフットサル実践復帰までにしたことをお伝えします。
- 1ヶ月目:体幹トレーニング・歩き
- 2ヶ月目:負荷の強い体幹トレーニング・歩き
- 3ヶ月目:負荷の強い体幹トレーニング・歩き
- 4ヶ月目:遅いジョギング・ジムトレーニング
- 5ヶ月目:遅いジョギング・ジムトレーニング
- 6ヶ月目:遅いジョギング・ジムトレーニング
- 7ヶ月目:少し早いランニング・ボールを軽く蹴る
- 8ヶ月目:早いランニング・ボールを軽く蹴る
- 9ヶ月目:ランニング・ボールを蹴る
- 10ヶ月目:ダッシュ・ボールを強く蹴る・俊敏な動き
- 11ヶ月目:ダッシュ・ボールを強く蹴る・俊敏な動き
- 12ヶ月目:実践的な動き→本格的な復帰
このリハビリ経過を見てもらうと分かる通り、アマチュア選手が前十字靱帯断裂から復帰する道のりは非常に険しいものです。
プロスポーツ選手とは違って、僕はアマチュアで仕事もしていたので丸一日膝のリハビリに費やせる時間は少ない。
だからこそ1年間という長い時間をかけて、リハビリして復帰までの準備をするしかないんです。
膝の怪我を通じて、プロとアマチュアの違いを初めて深く実感したときでもあります。
ちなみに病院で担当してくれた理学療法士さんがとても良い人で、退院前にリハビリを自分でやる際の注意点をまとめてくれました。
ようやく復帰、しかし25歳のとき左膝前十字靱帯断裂。
1年間地道にリハビリを続けて、本格復帰。
ようやく膝を気にせずに復帰できた喜びが強く、1つ1つ新しくできることに毎日が楽しく思えてました。
丸1年をリハビリ期間として過ごした僕は、すでに25歳。
アマチュアとはいえ、1番体が動く、良い時期を迎えていました。
そんな良い時期に再び、悲劇が起きます。
リハビリ復帰をしてから1年が経とうとしたある日、フットサルの練習試合中に相手と接触した際に左膝を捻り、「パキッ!」という嫌な身の覚えのある音が体内に流れました。
受傷後、膝は腫れ上がり、嫌な予感がしましたが体内に流れた音が前回の「ブチッ!」ではなく「パキッ!」だったので、「今回は絶対違う!」と心の中で言い聞かせていました。
病院で悲劇の通告が…
受傷後すぐ救急外来で行った病院ではMRIは撮らず、「あっこれは前十字ではないから大丈夫だよ!安心して!」と医師に軽く言われてホッとしていました。
しかし、MRI撮らないと正確な診断は出来ないことは知っていたので、ひとまず大学病院の提携している場所で撮りにきました。
もうハラハラドキドキです。
そして医師から診断結果を通告。
左膝前十字靱帯断裂
もう頭の中が真っ白になりました。
医師も前十字靱帯断裂が2回目ということで、とても気の毒そうにしていたのを覚えています。
僕は落ち込み、なんともいえない空気感の中、病院を後に。
ただ頭の中は真っ白ながらも「競技フットサルするの辞めよう。」と決意します。
なんで競技フットサルを辞めようと決意したのか?
辞めようと思った理由は、
- 手術すれば、また1年間を棒に振る
- 周りの人に多大な迷惑がかかる
- プロでもないのに手術して競技復帰するのがバカバカしくなった
この3つ。
僕はお金をもらってフットサルしてるわけではなく、自分で働いて稼いだお金で払ってフットサルをしています。
1回目の手術・リハビリ時に、「なんで趣味なのにそんな大怪我するまで追い込む必要があるの?」と周りから相当、言われました。
確かに言われてみれば、そうなんですよね。
だってフットサルでご飯を食べていないので
当時から、「1回目だからまだ許されるけど、2回目は反論も出来ないし、もうないな!」と感じていました。
でも2回目の前十字靱帯を断裂してしまった。
もう手術をするなら周りを巻き込んでしまうし、また陰口言われるし、きついリハビリにも耐えなきゃいけない。
本音でいうと、もうそんな逆境を覆すモチベーションが僕には残っていませんでした。
気持ちが変わった転機「執刀医の言葉」
そんなこんなで受傷から1週間が経った頃、病院での右膝の定期検診が入っていたので診察に行きます。
心の中は、
競技スポーツは引退。温存治療で誰にも迷惑かけずに今後を過ごす。
このように決意していました。
自分の名前を呼ばれて、診察室に入ると先生が笑って、こう投げかけました。
荒井君、また靱帯やったの?MRI見たけど靱帯綺麗に切れてるね!今後はどうする?手術する?
面食らった僕は、動揺しながらも自分の気持ちを正直に伝えました。
すると、
そんなに失望することかな。人生長いし、たった1年間、頑張ればまた膝の痛みを気にしないで競技フットサルできるようになる!若いんだから全然取り返しつくよ!自分の人生やりたいようにやるべき!前向きにいこうよ!
この言葉を受けてハッと気づきます。
当時の僕にとっては、かなり救われた言葉でとても大事なことに気付けた言葉でもあります。。
結局、この言葉を転機に考えを改め、2度目の手術に踏み切ります。
2度目の手術!
左膝バージョン、入院中の様子です。
退院後のリハビリの流れは1回目とあまり変わらないので割愛しますが、感想としてやはり苦しい1年間であったことは間違いありません。
日が経つにつれて行動制限が解除されるので嬉しかったのですが、1回全て経験しているので新鮮味に欠け、モチベーションを保つのに相当、苦労しました。
おそらくですが2回目は結構、リハビリを怠り、フットサル復帰後は思うように体が動かず、そこの部分も苦労しました。。
2度の膝前十字靱帯断裂から学んだこと!
2度の手術から8年経った今、膝のサポーターは必須ですが、競技フットサルを続けています!
梅雨の時期に痛んだり、サポータなしで強度の高い運動をすると、翌日膝が痛んだりしますが…笑
振り返りると、膝前十字靱帯断裂という怪我をしてから、様々な思い出ました。
- なんでまた大怪我するのか?
- なんでこんな辛い思いしないとダメなのか?
- なんで神様はこんなに意地悪なのか?
このように本気で思いました。
ただこの経験を通じて、「当たり前のこと」に気付いたのです。
どんなに泣いてもどんなに愚痴をこぼしても、膝崩れはするしとても痛い。
もうどう対応すればいいか分からずじまいだったけど執刀医の言葉を聞き、自分のやりたいことを優先し、先を見据えて手術→リハビリしたら膝は治った。
今はアマチュアで競技スポーツに取り組めて、私生活も膝に不自由なく過ごせている状況です。
ここでお伝えしたいことは、
自分のやりたいことを優先し、長期的な目線で物事を見ることが大切というこ
です!
2度目の前十字靱帯を断裂した時に、競技フットサルを辞めていたら少なくても、今の自分いません。
どんなに辛い経験をしたとしても、前向きに長期的な目線で物事を捉えることができれば案外、辛い体験は一時的なものでちっぽけなことが多いんです。
ちっぽけなことでウジウジしてるなら次、自分がどのようにすれば現状を打開できるか考えて動いた方が得策ということです。
正直な話、振り返れば振り返るほど辛い経験だったなと今でも思います。
でも僕はこの辛い経験に感謝しています。
なぜならこの経験があるからこそ、運動苦手な子どもにも、「前向きに諦めなければ出来ないこともできるようになる!」って自信を持って言えているからです!
まとめ:辛い体験をしたときこそ前向きに、長期的な目線で物事を見よう!
僕は膝前十字靱帯を断裂したことで学ぶことが沢山ありました。
膝の前十字靱帯を痛めないような動きや考えを学べたし、膝に気を遣って腿の肉離れや足首の捻挫を繰り返した時も落ち込むのではなく、前向きに考え、すぐ改善方法を模索して、取り組んできました。
怪我と比較するのもなんですが、辛い経験こそ新たな自分に気づけるチャンスです。
辛い経験をした時こそ、前向きに長期的な目線で物事を見てみてくださいね!
あっでも怪我しないのが1番なので、今できる予防策はもっておきましょうね!笑